TOPIX (フィリピンを訪問して)

TGT48とアイスクリーム(2017年)

 若林 和久

さる8月30日に愛徳カルメル修道女会のフィリピン地区本部の庭で、系列の幼稚園、幼小高一貫学校のケソン本校とタガイタイ分校の初の3校共同での「国語の日」の催しが開かれました。フィリピンは多言語国家ですので共通語を作る必要性があり、江戸弁が標準語になったように、マニラ近辺のタガログ語を改良しフィリピン語としたのです。毎年8月は国語月間で学校別に、ある1日を「国語の日」に指定し、正しい国語を使い、国の歴史や詩を再認識し、伝統的な服を着て、伝統的なゲームをします。生徒も先生も着飾って、歌ったり、踊ったりした後、我々観客も一緒になって、皆で楽しく分けあって昼食を食べました。

家庭環境は、本校は普通から比較的裕福、幼稚園は貧困だが家族と一緒。で、分校となると、極貧家庭で親も病気だったり、失踪したり、死んだり。従い家を離れてシスターの保護のもと子供同士で共同生活と、全く違うのです。そんな分校の彼等ですが、踊りは3校で断トツです。学校と言うよりも本来の養護施設として、私たちも含め支援者が結構訪問するので、その度に歌って踊ってを披露するものですから、自然と「TGT(タガイタイ)48」化してしまったようです。週2回しか見れないTVタイムでも、よく流行りの踊りを見て、皆でフリの練習をしています。

 只、残念な事に、近年寄付金の減少で予算カットの憂き目に遭い、最近では現場のシスター達は地元での寄付集めに奔走中です。ペンキ、中古冷蔵庫、各種食料品、衣類等。会話にも「寄付」と言う言葉が頻繁に出てくるようになり、流行語大賞ものです。そして、私達がタガイタイ訪問時に目にしたものは、子供達が実に久し振りに食べたと言うアイスクリーム。なんと地元の支援者が寄付してくれたので、ビッグチャンス到来。子供達は飛び跳ねて喜び、カップの底までも舐め回さないといけないルールでもあるかのごとく、皆笑顔で必死になって舐めまくっていました。私は非常にショックを受け、TGT48諸君の喜びの回数をちょっと増してあげれたらと思い、次2回分位のアイスクリーム代を、そっとシスターに渡してきた次第です。自分へのご褒美のチョコパフェを食べる回数を少し押さえようと思いつつ。

TGT48が民族舞踊を披露した

※TGT(タガイタイ)48とは養護施設の子供たち全員による芸能チーム



フィリピンを訪問して (2017年)

聖イグナチオ教会助任司祭 田丸 篤

             

 今年も8月28日から9月3日まで、タラ友の会のメンバーとフィリピンを訪問してきました。私にとって6年目になる訪問ですが、今回もよいかたちで訪問できたことを感謝しています。3年前にトンドという貧しい地域からタガイタイにある子どもたちの施設に兄弟3人で来た子どもたちも、見違えるように成長していました。すっかり環境に慣れて、一緒に生活する子どもたち、シスター方、施設で働く人たちとのあたたかい交わりの中で、家族と離れて生活する寂しさを乗り越えてがんばっていました。毎年継続して訪問しているので、子どもたちやシスター方との絆も深められているように感じます。

私がフィリピンを初めて訪問したのは30年近く前ですが、その頃あった貧困の問題は今なお続いています。スラムで生活する人々の様子は、以前と変わっていません。狭く日光も十分当たらない場所に、大勢の人々が生活しています。子どもたちもたくさんいます。皆貧しいですが、それでも明るく支え合ってがんばっています。様々な事情で親と一緒に生活できない子どもたちが、シスター方がなさっている施設で共同生活をしています。昨年から施設の中でその子の能力に合わせた教育が受けられるようになりました。毎年全国の支援してくださる方々からいただいている献金を子どもたちの衣食住と教育のために送金しています。子どもたちは日本の恩人の方々のことを忘れず、いつもシスター方と 一緒に祈ってくれています。私たちが国を越えて善意を集めることで、困難の中でも共に歩むことができます。神様はそのような私たちの互いのつながりと支え合いを望んでおられるでしょう。これからもこの活動が多くの人々の善意によって続けられるように祈ります。

貧困の問題はまだ続いている



タガイタイの養護施設に私立学校設立(2016年)

                 若林和久

今回のタガイタイ訪問で一番驚いたのは、施設内に幼小高一貫の学校ができていたことです。今回はフィリピンの教育について報告します。

パンガラップの幼稚園が土地所有者によって強制排除の憂き目に会い、多くの園児が家族共々追い出されている事は、以前お伝えしました。

 私達が支援しているベドルーナ財団は1-2年後の閉園も覚悟し、同時に財団本部近くでの学校経営も考えたのです。財団とは別に愛徳カルメル修道会として、民家を購入、改修し幼、小、高の一貫校を今年6月の新学年度から開設。又、財団の経営ですが、タガイタイを分校としました。

 フィリピンにあるSeibo大学が開発し、政府も認可した画期的なカリキュラムを使用。それは生徒が理解する迄先に進まず、理解できればどんどん前に進めるのです。ケソン市の本校14名とタガイタイ市の分校15名が対象で、学年は無く、学力別のグループに分かれます。最近施設に来た学校に行ったことが無い10才の女の子が、幼稚園児と一緒に勉強したりしています。施設の子供達は以前は近くの公立校に行っていましたが、お座なりの授業で落ちこぼれる事もよくあったようです。

 昔は看護師資格を持つシスターがハンセン病患者の治療をしていたのですが、今は様変わりで、シスターが教師の資格を取って授業を行なっています。分校の生徒は月に1度、本校の生徒と共に同じ制服で本校近くの教会にミサに通っており、これが唯一の遠足。

 修道院は、何とか本校の経営を軌道にのせて黒字化し、その利益を財団に回したいと優しい想いを語ってくれます。それがいつになるか分かりませんが、その実現と子供達の学力向上、シスター達が慣れない授業に疲れ果てませんように祈願するばかりです。

タガイタイの分校(養護施設のホールで授業)

 ケソン市の本校



フィリピンを訪問して (2016年)

聖イグナチオ教会助任司祭 田丸 篤

 今年フィリピンを訪問するにあたって心配していたことは、新しい大統領に変わってどのような変化が起こっているだろうかということでした。でも、実際にフィリピンに足を踏み入れてみると、大きな混乱もなくいつも通りの日常が繰り広がっていて安心できた部分もありました。新しい大統領になって貧しい人々の生活が少しでも豊かに変えられることを祈り願います。

 今回訪問してうれしかったことは、タガイタイの施設で生活している子どもたちの成長でした。昨年出会った子どもたちが1年を経て大きく成長していました。シスターたちが新しい教育のカリキュラムを取り入れて、子どもたちが施設の中で学校と同じ勉強ができるようになっていました。そのカリキュラムでは、子どもたちのペースに合わせて一人ひとりが今必要としている学習ができるように配慮されていました。貧しさの中で十分な教育を受けることができなかった子どもたちが言葉や数の数え方から始めて教育が受けられるようになっています。この変化は子どもたちに大きな希望を与えるでしょう。

 私たちができることは援助金を送って子どもたちの生活を支えることに限られますが、私たちの心は必ず子どもたちの心に届いていると感じます。子どもたちはいつも夜、みんなで集まってシスターたちと祈りを捧げています。


その祈りには日本から援助を送っている私たちへの感謝も含まれています。直接出会うことができなくても、子どもたちは日本の恩人のために祈りを捧げてくれています。その子どもたちの祈りは私たちにとっても大きな力になっていることを思って、これからもこの活動を継続し続けたいです。

タガイタイの子供養護施設で